2011年08月30日

JIA・関東甲信越支部の皆さんが来訪 (2011.8.27-28)

日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部の皆さんが、入間・飯能地域にある歴史的な建造物を、研修会の一環として2日間に渡って入間に見学に訪れました。
 入間では8月27日に武蔵豊岡教会(設計:WMヴォーリズ)と盈進学園東野高校(設計:C・アレグザンダー)を、28日には午前中に飯能の旧平岡レース事務所(設計:遠藤新)を見学後に再び入間へ、旧黒須銀行、新道の家、楽蔵を見学しました。
 
入間での見学の対応窓口を当会が行いました。
 二本木の東野高校以外は、当会でまち歩きのコースとして、この地区で見ていただきたい建物を今回の見学コースとさせていただいたものです。残念ながら、この日は西洋館の公開日となっていなかったため、外観のみを見てということでした。
ss-1315305425.jpg午前中まで降っていた雨も上がりました。教会の見学に先立って、当会の染井副会長よりJIAの皆さんにご挨拶し、当会のまちづくりの取り組みなどの活動をお伝えしました。
教会に関しては、その設立の経緯など、教会役員の黒田さんから丁寧な説明をしていただきました。ss-1315305482.jpg
ss-1315305518.jpg JIAは建築のプロの皆さんですので細部にいたるところまで、興味深く見学されたものと思われます。特に、図面には食い入るように興味を示されていました。
東野高校は竣工当時、パタン・ランゲージを提唱したC・アレグザンダーの理論を学校建築群に具現化したものとして、建築雑誌をにぎわした全国的にも有名な建築です。1984年に完成していますから、すでに30年弱の時間が過ぎています。ss-1315305568.jpg


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翌日の午前中は、飯能の旧平岡レース事務所棟の見学から始まりました。この建物は図書館が建設されることによって解体されることになってしまいました。
一時は残していくという方向でしたが、解体し、骨組みを一時保管して時期を待つということになっているようです。
 ss-1315305667.jpg 設計の遠藤新はF.L.ライトの弟子で、帝国ホテル(明治村に移築)や明日館(池袋に現存)にも関わっていました。

この日は、地元の建築の関係者の皆さんが、最後となる建物周辺の清掃等を行い、建物との別れを惜しんでおられました。
長い間、その地域にあった建物が無くなってしまうのは寂しいものです。
 遠藤新さんのお孫さんである遠藤現さんが解説をしてくださいました。

現在は、ポツンと1棟が取り残されたような感じで建っています。周辺は新しい住宅がどんどん建って、地元の人の目には、大きく変わっている町の姿はどのように映っているいることでしょう。
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旧黒須銀行は土蔵造りの銀行として、市指定文化財として博物館で管理されています。説明は博物館の学芸員の三浦さんが担当してくれました。
 三浦さんは、入間市博物館紀要第9号(2011.03)で旧黒須銀行についての論文をまとめられています。入間の歴史的建造物を特集していますので、建物に関心のある方にはお勧めの1冊です。
説明を受けて、1階から2階に上がる階段は、実は展示館とするために設けられたものだということを知りました。
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 銀行の裏には、昨年、解体された土蔵の屋根瓦が残されています。瓦の裏面には「小谷田瓦」と刻印され、地元産の瓦が少なくともこの当時は使われていたことが分かります。 
外壁や屋根、内部でも床に痛みが出てきています。今後の利活用などを含めての修繕計画など、市民としてもアイデアを出していく時期にきている感じです。
新道の家の漆喰で、装飾を施した天井仕上げは、今の家づくりではとても高級な仕様になってしまい、新たにはなかなか見ることの少ない造り方です。
 昭和の初期のころの洋風家屋の雰囲気を伝える好例といえるのではないでしょうか。
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ss-1315305942.jpg繭蔵(楽蔵)の3階は、ワンルームで小屋組みの架構もよく分かることもあり、建築家の皆さんには興味深い様子でした。 
駅に向かう途中で、西洋館の外観を見て解散となりました。内部の見学ができなかったことは残念でしたが、秋の街歩きなどの機会にお越しいただきたいと思います。
 
今年は9/25から国際建築家連合(UIA)/ UIA2011東京大会という大きなイベントも開催されますが、JIAの皆さんには、日本の各地域に残る建築資産をその地域のアイデンティティとして強く発信して頂ければ幸いです。
  (文責:宮越喜彦)
posted by 文化遺産をいかす会 at 10:48 | Comment(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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